Au(111)

2012年7月15日 (日)

Au(111)

Au(111)の見え方と、これまでの経験からどう見えるべきかわかっているBi2212の見え方を比較するために、Au(111)の準備を行った。

FIM処理した探針をSTMにセットしたのち、Au(111)のスパッタ、アニールを行った。チャンバーを開けた時に、Arのバリアブルリークバルブをイオンガン本体に移したので、よりイオン電流が稼げると思ったが、実際は、6×10-6Torr程度のAr圧の時、1.5kVの加速電圧で0.3μA程度で、これまでとほとんど変わらないか、むしろ小さくなってしまった。

また、EB加熱ステージを蒸着の際の基板加熱に用いるため、蒸着物を防ぐマスクを新たにつけたのだが、ここからデガスしたようで、アニール時に真空度が10-8Torr台まで悪くなった。そのため、再度、スパッタ、アニールを繰り返した。2回目のアニール時の真空は一番悪い時で1.7×10-9Torr程度だった。

その後、アプローチを開始した。探針、試料間の容量と粗動機構のステップ数をこれまでと比較すると、若干動きが悪くなってきているが、問題になるほどではない。

2012年6月11日 (月)

Au(111) & LiFeAs-BS195-1-6

ここ数日の記録

前回の試料は、超伝導ギャップが見えず、空間分解能も今一つであった。

複数の経験者に聞いたところ、一致した意見は、Au(111)で原子を見るのは相当難しく、原子像が見えたとすれば、それはおそらく探針の先に何か異分子がついているのだというということであった。とりあえず、ステップエッジの鋭さで評価するのが良さそうである。

探針を変える時、電圧パルスをかけていたが、きわめて頻繁に針先が飛び、そのたびに表面が汚れるので、ソフトなクラッシュの条件を探ってみた。その結果、+100mV/10pAでフィードバックを切った場合、およそ0.55nm探針を近づけると、I-z曲線にヒステリシスが現れ、クラッシュするようだ。この後、トポグラフをとると、小さな「出っ張り」ができている。この出っ張りは小さいものと大きいものの2種類ある。0.01nm程度の精度で探針を近づける限り、小さい出っ張りを作ろうとすると数回に1度失敗して大きな出っ張りになってしまうが、大きい出っ張りは再現性良く作れ、小さい出っ張りを大きい出っ張りにすることもできる。

面白いので、今日は、字を書いてみることにし、日立基礎研にいらっしゃった細木さんにならって"PEACE"と書いてみようとしたが、Pを書き終わってEを書き始めたところで二つの大きな出っ張りがくっついてしまって、失敗した。意外と難しい。

そもそもこの構造は何かよくわからないが、タングステン原子が金表面にくっついているのだとすれば、探針はだんだん鈍ってくることになるので、ここで切り上げ、ステップエッジの構造がそれなりにきれいに見え、ダブルティップでなく、スペクトルが正常な探針になったところで終了した。

チャンバーに残っている最後の試料を劈開してアプローチを開始した。

2012年6月 7日 (木)

Au(111) & LiFeAs-BS195-1-5

昨日の朝、アプローチしたが、試料でない場所にアプローチしたようで、すぐにあきらめた。改めて探針のFIM処理と、金のスパッタアニールを行い、アプローチを開始した。今回は容量を測りながらギリギリまで探針を試料に近づけた結果、自動アプローチ後30分ほどでアプローチした。

ここまでは順調だったが、ミスをして、フィードバックがかかった状態でZ_offsetを20 nm程度一気に進めてしまい、クラッシュさせてしまった。相手が金なので幸い大きな問題はなく、別の場所を無事スキャンできることを確認して昨日は終了した。

今日は主に探針調整を行った。スペクトルを見ると、表面バンドの底は見えるものの、負バイアス側に大きなバックグラウンドが乗っていた。そこで、+0.1V/10pAのセットポイントから試料に幅10msのパルス電圧を加え、探針を変えることを試みた。+1Vから1Vおきに+5Vまでパルスを印加したが変化がなく、今度はセットポイントを-0.1V/10pAにして-1Vから1Vおきに負電圧のパルスを加えていったところ、-7Vで探針の先が飛んだ。その後、スペクトルが正常になり、探針もダブルティップではなかったので、LiFeAsを入れることにした。

試料は、最初の2つはきれいな劈開面が出ず、3つめで光沢のある表面が得られた。通常どおりアプローチを開始。

2012年6月 5日 (火)

Au(111) & LiFeAs-SK187-12 (その1)

昨日、改めてAu(111)をセットした。ステップは多かったが、スペクトルには表面状態の底がきちんと見えた。原子像は見えないが、単一欠陥やその周りの定在波は見え、また、ステップエッジの遷移領域は1nm程度で、これまでに使った探針よりは鋭い。この程度の探針で、LiFeAsがどう見えるかチェックする意味で、LiFeAsをセットすることにした。

最初に劈開したLiFeAs-SK187-11は劈開面に光沢が無いようだったので、LiFeAs-SK187-12 を、いつも通り液体窒素温度で劈開し、アプローチ開始。

探針-試料間容量から見た粗動機構の動きが悪くなっている。次回試料交換の際にシェアピエゾの容量チェックが必要である。

2012年6月 3日 (日)

Au(111)

アプローチしたが、フィードバックが発振してしまい、スキャンできなかった。まだクリーニングが足りないのだろうか。

アプローチ時の探針、試料間の容量を毎回測り始めたが、金の試料に関しては、毎回、同じ位の値でアプローチするようだ。次回は自動アプローチ前にもう少し近づけてみようと思う。

導入室の真空排気を開始して終了。金すらうまくいかないので若干メゲ気味である。

2012年6月 1日 (金)

Au(111)

昨日入れた探針は歩留まりが良く、5本のうち、FIM像がとれなかったものは1本のみだった。2.85kVでクリーニングしたものをセットした。

Au(111)試料はスパッタとアニールを2サイクル行ってセットした。アニールは750℃程度まで温度を上げてみた。

明日は休みにするつもりなので、1ステップ6秒程度のゆっくりした自動アプローチを開始した。

2012年5月31日 (木)

実験準備

先が飛んでしまった探針は、約5kVまでFIM像が見えなかった。チャンバー内にあと2本新しい探針が残っていたが、どちらもやはり5kV程度までFIM像が見えず、断念した。

全ての探針を取り出し、新たに5本の探針をセットした。100Vで7時間ベーキング。また、探針を作っている間に、金のスパッタ1.5kV/0.4μA/1時間、アニール約700℃/15分を1サイクル行った。

Au(111)

昨日までの記録。

これまでより1000ステップほど余計にかかったが、アプローチした。探針試料間の容量はこれまでと同程度なので、探針ホルダーの個性かもしれないがもう少し再現性を見ないとわからない。

これまでより若干ステップが少なかったが、アニール温度を上げた効果なのか、単なる場所の問題なのかも、再現性チェックが必要。

ヘリンボーンは見えるが、ところどころに大きなゴミがあり、原子分解能も無い。探針を変えようとバイアスに-5V/10msのパルスを加えるが、探針の先が飛び、試料表面が非常に汚れてしまった。その後も何回か条件を変えてパルスを加えてみたが、非常に頻繁に針先が飛んでしまう。

とりあえず、表面が非常に汚くなってしまったので、再度探針のFIMと金のスパッタアニールをすることにする。

2012年5月29日 (火)

Au(111)

昨日の記録。

不安定な場所にアプローチしてしまい探針もFIM像がとれなくなってしまった。確かに、金は大気中に何年も放置されていたものなので、汚れていることは想像に難くないが、一部だけきれいに、あるいは汚れたままのことがあるのだろうか。Fuさんいわく、考えにくいとのこと、同じ現象が続くようであれば、改めて考えることにして、とりあえずやり直すことにした。

新しい探針をFIM処理し、Au試料は念のため、2回スパッタ、アニールを行ったものにアプローチ開始。アニール条件は、これまで600℃で15分行っていたが、今回は温度を50℃程度上げた。

2012年5月26日 (土)

Au(111)準備

幸い、新しい探針は2kV程度からFIM像が取れた。放電が怖いので、2.75kVで1時間程クリーニングしたものをセットした。

その後Au(111)のArスパッタとアニールを行い、1時間程冷ました後、STMにセットした。セットするたびにねじ込んだ終わりの角度が違うのが気になるが、固いので仕方ないのかもしれない。今回は、探針の終わりの角度も違っていたので、なにかあるのかもしれないが、ガタ等の傾向はないので、このまま実験することにした。

明日は休みにして、明後日朝までにはアプローチするように自動アプローチを開始した。

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