« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »

2012年5月

2012年5月31日 (木)

実験準備

先が飛んでしまった探針は、約5kVまでFIM像が見えなかった。チャンバー内にあと2本新しい探針が残っていたが、どちらもやはり5kV程度までFIM像が見えず、断念した。

全ての探針を取り出し、新たに5本の探針をセットした。100Vで7時間ベーキング。また、探針を作っている間に、金のスパッタ1.5kV/0.4μA/1時間、アニール約700℃/15分を1サイクル行った。

Au(111)

昨日までの記録。

これまでより1000ステップほど余計にかかったが、アプローチした。探針試料間の容量はこれまでと同程度なので、探針ホルダーの個性かもしれないがもう少し再現性を見ないとわからない。

これまでより若干ステップが少なかったが、アニール温度を上げた効果なのか、単なる場所の問題なのかも、再現性チェックが必要。

ヘリンボーンは見えるが、ところどころに大きなゴミがあり、原子分解能も無い。探針を変えようとバイアスに-5V/10msのパルスを加えるが、探針の先が飛び、試料表面が非常に汚れてしまった。その後も何回か条件を変えてパルスを加えてみたが、非常に頻繁に針先が飛んでしまう。

とりあえず、表面が非常に汚くなってしまったので、再度探針のFIMと金のスパッタアニールをすることにする。

2012年5月29日 (火)

Au(111)

昨日の記録。

不安定な場所にアプローチしてしまい探針もFIM像がとれなくなってしまった。確かに、金は大気中に何年も放置されていたものなので、汚れていることは想像に難くないが、一部だけきれいに、あるいは汚れたままのことがあるのだろうか。Fuさんいわく、考えにくいとのこと、同じ現象が続くようであれば、改めて考えることにして、とりあえずやり直すことにした。

新しい探針をFIM処理し、Au試料は念のため、2回スパッタ、アニールを行ったものにアプローチ開始。アニール条件は、これまで600℃で15分行っていたが、今回は温度を50℃程度上げた。

2012年5月26日 (土)

Au(111)準備

幸い、新しい探針は2kV程度からFIM像が取れた。放電が怖いので、2.75kVで1時間程クリーニングしたものをセットした。

その後Au(111)のArスパッタとアニールを行い、1時間程冷ました後、STMにセットした。セットするたびにねじ込んだ終わりの角度が違うのが気になるが、固いので仕方ないのかもしれない。今回は、探針の終わりの角度も違っていたので、なにかあるのかもしれないが、ガタ等の傾向はないので、このまま実験することにした。

明日は休みにして、明後日朝までにはアプローチするように自動アプローチを開始した。

2012年5月25日 (金)

Au(111)

前回よりは若干平坦な場所にアプローチした。多数のステップの断面プロファイルをフィッティングして、ピエゾのz方向の圧電定数を正確に決めることができた。これまで適当に使っていた値の6割程度しか実際には動いていなかった。(ちなみに、これまで、z方向の絶対値が問題になる実験はしていない。)この校正は、トンネル電流の距離依存性から大まかに想像していた値とコンシステントである。これまで、講演ではz方向の振動ノイズは大体0.5pmと話してきたが、実際は0.3pm程度と、もっと良かったということになる。

スペクトルには表面状態の底が観測され、問題無かったが、空間分解能が悪く、ヘリンボーンだけで原子が見えない。10Vのパルスを10ms、100msと加えている途中で針先が大きくとび、金表面が見えなくなってしまった。やり直しである。

FIMが使えないのはやはり困るので、放電箇所のチェックを行ったところ、予想に反してEBステージではなく、FIMの探針ステージを支えるアルミナの碍子近傍で放電していることがわかった。なぜここが汚染されたのか不明であるが、2本ある碍子の両方で放電しているので偶然ではなく、対策が必要である。

とりあえず。4kVくらいまでは持ちそうなので、次回はFIMを一応試し、駄目だった場合は探針をそのままセットして、金だけでの調整を試みるつもりである。

2012年5月24日 (木)

Au(111)準備

探針をFIM処理しようとしたところ、チャンバー内で放電が起こり、十分な電圧がかけられない。肉眼では放電は見えなかったが、電子ビーム加熱ステージ周辺と想像される。高圧ケーブルの数を減らすために、FIMと電子ビームの高圧部は共通になっているが、両方安定して使うには、やはり分けねばならないだろう。

探針は最終的には金で調整するのでFIMはあきらめ、MCPを切った状態で探針に3.5kV印加してクリーニングした。

金の試料は、1.5kV/0.2μAのスパッタを約1時間行った後、650℃程度で15分アニールしてセットし、アプローチを開始した。

Au(111)

昨日の記録。

導入室に入れた試料を処理室に移した後、Fuさんの作ったAu(111)清浄表面にアプローチを開始。Nanonisコントローラのアプローチモジュールには、特別にリクエストして、プローチしたことを複数回確認する機能をつけてもらっているが、2回確認するようにしても1回しか確認していない。Nanonisのバグは大変めずらしい。ほとんど初めてである。

金表面は数度傾いていて、ステップが非常に多いが、ヘリンボーンは一応見え、探針には原子分解能があった。しかし、スペクトルには、-0.5V近傍に現れるはずの表面バンドの底が見えず、-0.8V以下にコンダクタンスの異常な増大が見られた。

何回か電圧パルスをかけて探針を変えようとしたが、あまり変わらない。この探針はテストのため、前回の使用後にFIMしていないので、FIMでクリーニングしてから再度評価をこころみることにする。

2012年5月23日 (水)

実験準備

欠陥の少ない面が出たものを含むこれまで測定した試料3個にピンを立て、新たに導入室にセットした。

明日(今日)、金清浄表面で探針のチェックを行い、アプローチを始める予定。

2012年5月21日 (月)

実験準備

出張が二つ続いたが、一ヶ月ほど出張がないので、しばらく実験ができるようになった。

加熱ホルダーは無事に異物を取り除いて復帰したが、さすがに結構固く、ダイスをかませているときに、ハンドルを少し曲げてしまった。ネジ部が加熱されないようなデザインをFuさんが考えたので、こちらの方向で検討したい。

ともあれ、加熱ホルダーは使えるようになったので、出張中にFuさんにAu(111)のクリーニングをお願いしたところ、さすがに餅は餅屋で、先週土曜日うにSTMでヘリンボーンが見えるようになったとのメールを貰った。これで、探針の調整がその場でできるようになった。

本日、早速、LiFeAs-BS195にピン立てを行い、3個導入室にセットした。また、チャンバー内に入っていたLiFeAs試料3個を取り出したが、加熱ホルダーのデガス時に加熱されてしまったことを恐れていたが、劈開面はきれいで、Epotek74の色も変わっていなかった。こちらの古い試料の方が劈開性が良いので、明日、ピンを立てなおしてセットする予定である。

2012年5月 2日 (水)

LiFeAs-BS102-J3-8 by 3He-STM(その3)

無事アプローチしたが、トポグラフに昨日は見られなかった浅い凹部が多数観測された。吸着物の影響かもしれない。超伝導ギャップもあるにはあるが、はっきりしない。探針もダルなので、終了した。

このままの低い劈開の歩留まりに探針の歩留まりを考えると、このままでは神頼みと同じである。探針の評価をきちんと行うための金清浄表面の準備に再度取り掛かることにする。処理室に置いてあった、試作中の可搬型電子ビーム加熱ステージのデガスを行った。モリブデンの輻射率を0.3と仮定して、1000℃まで加熱し、1.5×10-8Torr程度までデガスしたところで、本日は終了した。

ステージ本体はモリブデン製のM12P1のネジであり、加熱時にタンタル製の雌ネジにねじ込まれる構造である。ネジ部はネジ山を入れて1mm程度の薄肉である。以前、加熱後変形して取り出せなくなったので、今回、ネジをユルユル(M11.7程度)にして再作製してもらった。Fuさんが一度デガスしていて、その時はOKだった。今回も若干スムースでないところがあったものの無事に外すことができて、試料ストック台に移せた。しかし、その後、念のためもう一度ストック台から外し、再度ねじ込もうとしたら入らなかった。ルーペで観察したところ、どうやら変形のせいではなく、何かがネジ溝にくっついているようである。そうであれば、比較的簡単に直せるはずである。

現在のホルダーとの互換性確保のため、ネジを使っているが、ネジを使わない方法も考えねばならないだろう。

LiFeAs-BS102-J3-8 by 3He-STM(その2)

超伝導ギャップが観測される表面にアプローチした。探針はダルだが、かろうじて原子分解能はあり、マルチティップにはなっていなかった。Snと思われる欠陥上のスペクトルは再現しした。

準粒子干渉を観測できる視野を確保し、欠陥から離れた部分のスペクトルのデータを最低温の450 mKで測定しているときに、探針が変わって分解能がなくなってしまった。いろいろ探針を変えようと試みたが、元に戻すことはできず、終了した。

探針をFIM処理後、チャンバー内に残っていた最後の試料を劈開したが、肉眼で光沢が感じられなかった。超伝導を示す表面の歩留まりの悪さを考えると、今日測定した試料をもう一度測定してみることに意味があるのではないかと思い至った。NbSe2の場合は、処理室とSTMを何度か往復させ、そのたびに処理室にFIM用のイメージングガスとしてHeを2×10-5 Torr程度入れても、表面の劣化は無かった。LiFeAsではどうであろうか。

試料のLN2温度までの予冷は行わず、そのままセットし、アプローチ開始。

« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »