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2011年2月25日 (金)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その14)

2.5Kでのマッピングの途中で、温度が上昇してしまった。今朝来た時には3K以上に温度が上がっており、マッピングを中止した。

我々の使用しているUnisoku社製のSTMシステムに採用されているCryogenic社の3He冷凍機には4Kフランジが無いので、1Kポットを通してダイナミックに4Heを流さないと、bathにヘリウムがあっても、100K以上に温度が上がってしまう。1Kポットの4Heを排気ラインは2本あり、1本は1Kポットに直接つながっており、もう一本は、ソープションポンプの周りを通っている。3He温度の0.5Kを得る場合は、ソープションポンプ側のみを使い、1.5Kを得るには、1Kポット側のみを使う。後者の場合、ソープションポンプは適度に温まって、3Heが交換ガスとして働くわけである。

1.5K以上の温度で実験する時は、0.5Kを得る場合と同様、ソープションポンプ側のみを排気し、なるべく交換ガスを無くした状態で1Kポットを冷却源として使えば良いと考えていた。10K以上の高温になると、1Kポットの状態が不安定になりがちであったが、5K程度までは、少なくとも数時間の測定には問題なかった。長時間のマッピングが1.5K以上でできないのは問題である。

今回、1Kポットの温度は、1.7K程度で、始めた時に比べると数10mK上昇しているだけであった。現在考えられる温度上昇の原因としては、

  1. 3Heガスが完全にソープションポンプに吸着され、STMの入っているUHV缶と1Kポットが完全に熱的に絶縁されてしまった。
  2. 1Kポットが空になりかけ、冷却力が落ちて、バッフル板が温まった。

しかし、いずれにせよ、1Kポット自体は2K以下なのに、STMを3K以上にするような輻射のパスがあるようには思えない。安直な解決策は、以前20Kで半日程度のマッピングをしたときに用いたように、IVCに交換ガスを入れることであるが、1.5Kと4Kの間はできないことと、後でガスを抜くことを考えるとあまりやりたくない。明日停電なので、その間に解決策を考えることにする。

とりあえず、渦糸中心のスペクトルを2.5Kと5Kで測定した。その結果、Fermiエネルギー近傍の鋭いピークは、温度上昇で急速にブロードになることが分かった。最低温のデータをFermi-Dirac関数で畳み込んだスペクトルと比べて、よりブロードなので、単なる温度の効果では無いことは明らかである。

渦糸位置を特定するために取った、粗い渦糸像を見ると、実空間での渦糸の広がりもTcの半分以下の温度であるにも関わらず、温度変化している。

これらの結果は、いずれも、Kramer-Pesch効果が起こっていることを強く示唆するものと考えられる。渦糸フロー抵抗の温度依存性が気になるところである。

明日の停電にそなえ、全ての装置をシャットダウン。ピエゾに電圧がかかっていない時に、探針と試料間は100nm以上離れているので、粗動モーターで探針を引くことはしなかった。

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