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2011年2月

2011年2月26日 (土)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その15)

停電後復帰作業。無事に同じ場所に戻ってこれた。クリープをおさめるため、月曜まで+25mV/10pAで放置。

2011年2月25日 (金)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その14)

2.5Kでのマッピングの途中で、温度が上昇してしまった。今朝来た時には3K以上に温度が上がっており、マッピングを中止した。

我々の使用しているUnisoku社製のSTMシステムに採用されているCryogenic社の3He冷凍機には4Kフランジが無いので、1Kポットを通してダイナミックに4Heを流さないと、bathにヘリウムがあっても、100K以上に温度が上がってしまう。1Kポットの4Heを排気ラインは2本あり、1本は1Kポットに直接つながっており、もう一本は、ソープションポンプの周りを通っている。3He温度の0.5Kを得る場合は、ソープションポンプ側のみを使い、1.5Kを得るには、1Kポット側のみを使う。後者の場合、ソープションポンプは適度に温まって、3Heが交換ガスとして働くわけである。

1.5K以上の温度で実験する時は、0.5Kを得る場合と同様、ソープションポンプ側のみを排気し、なるべく交換ガスを無くした状態で1Kポットを冷却源として使えば良いと考えていた。10K以上の高温になると、1Kポットの状態が不安定になりがちであったが、5K程度までは、少なくとも数時間の測定には問題なかった。長時間のマッピングが1.5K以上でできないのは問題である。

今回、1Kポットの温度は、1.7K程度で、始めた時に比べると数10mK上昇しているだけであった。現在考えられる温度上昇の原因としては、

  1. 3Heガスが完全にソープションポンプに吸着され、STMの入っているUHV缶と1Kポットが完全に熱的に絶縁されてしまった。
  2. 1Kポットが空になりかけ、冷却力が落ちて、バッフル板が温まった。

しかし、いずれにせよ、1Kポット自体は2K以下なのに、STMを3K以上にするような輻射のパスがあるようには思えない。安直な解決策は、以前20Kで半日程度のマッピングをしたときに用いたように、IVCに交換ガスを入れることであるが、1.5Kと4Kの間はできないことと、後でガスを抜くことを考えるとあまりやりたくない。明日停電なので、その間に解決策を考えることにする。

とりあえず、渦糸中心のスペクトルを2.5Kと5Kで測定した。その結果、Fermiエネルギー近傍の鋭いピークは、温度上昇で急速にブロードになることが分かった。最低温のデータをFermi-Dirac関数で畳み込んだスペクトルと比べて、よりブロードなので、単なる温度の効果では無いことは明らかである。

渦糸位置を特定するために取った、粗い渦糸像を見ると、実空間での渦糸の広がりもTcの半分以下の温度であるにも関わらず、温度変化している。

これらの結果は、いずれも、Kramer-Pesch効果が起こっていることを強く示唆するものと考えられる。渦糸フロー抵抗の温度依存性が気になるところである。

明日の停電にそなえ、全ての装置をシャットダウン。ピエゾに電圧がかかっていない時に、探針と試料間は100nm以上離れているので、粗動モーターで探針を引くことはしなかった。

2011年2月24日 (木)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その13)

540mKでのマッピングを終え、2.5Kでの同条件でのマッピングを開始。

2011年2月23日 (水)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その12)

鉄-鉄方向のラインスキャンも無事に終了。これで、最低温での渦糸芯状態の最低限の情報がそろった。

しかし、今のところ、はっきりした準粒子ブランチは、小さいギャップに漸近するものしか観測されていない。NbSe2のギャップの小さな方向に延びるゼロエネルギーのブランチに相当すると思われる弱い構造がヒ素-ヒ素方向に見られるが、渦糸中心でもピークが分裂していることを反映して、状態密度の極大はゼロエネルギー(Fermiエネルギー)にはない。

次は、Kramer-Pesch効果と関連して、渦糸芯状態の空間的広がりの温度変化を調べることにする。25nm四方、+25mV/250pA、128×128点、±2mV、5points、変調振幅0.2mV。約18時間のマッピングを各温度で行う予定。まずは、最低温540mKのマッピングを開始した。

2011年2月22日 (火)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その11)

無事ラインスキャン完了。今日は、最近接鉄原子同士をつなぐ方向に沿って、同じラインスキャン。

2011年2月21日 (月)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その10)

マッピング終了。1.5Kでの同じ視野でのマッピングデータを再現した。

土曜日に停電があるので、それまでに最低温での一通りのデータを取りたい。ラインカットを2本、エネルギー点数を減らして、多少視野を広げ、128×128点の渦糸イメージを取りたい。

まずは、最近接鉄原子同士をつなぐ方向と45度の方向(渦糸芯のテイルが伸びている方向)に沿って、20nm(渦糸中心から15nm、反対側に5nm)、+25mV/250pA、128点、±15mV、各点でのデータ数151、変調振幅0.15mV。約18時間のラインスキャン。

2011年2月19日 (土)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その9)

スキャンの途中で、探針が変わってしまった。空間分解能が落ちて、原子の凹凸はほとんど分からなくなってしまったが、欠陥の形はまだはっきりと分かる。渦糸の測定には耐えられそうである。スペクトルにはほとんど変化が無い。

探針が変わる前に、渦糸心は通過していたが、小さなギャップに漸近する正負2つのブランチ以外に、はっきりした構造は観測されなかった。

仕切り直しのため、18nm四方の分光イメージングをとりなおす。+25mV/250pA、64×64点、±6mV、67points、変調振幅0.2mV。約41時間のマッピング。

2011年2月17日 (木)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その8)

ラインスキャン終了。残念ながら、この分解能では新たな構造は見られなかった。今まで1.5Kでの測定だったので、3He温度まで下げ、電流ももっと流すことにする。540mK、+25mV/250pA、変調振幅0.1mVで測定したところ、渦糸中心のピークは、弱いながらも正バイアス側にも存在することがわかった。もう一度、ラインスキャンを行うことにした。欠陥がより少ない前回と直交する方向に沿って、20nm(渦糸中心から15nm、反対側に5nm)、+25mV/250pA、128点、±7.5mV、各点でのデータ数151、変調振幅0.1mV。約41時間のラインスキャン。

データを眺めていて、渦糸心のサイズが小さいことに気づいた。Kramer-Pesch効果が起きているのではないかと思う。最低温でエネルギー構造を探ったあと、温度依存性の測定が必要である。

2011年2月14日 (月)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その7)

無事に、マッピング終了。渦糸芯状態の4回対称な異方性が観測された。これも以前の予備実験の結果を再現している。この異方性は、ギャップの異方性に起因すると思われるが、その場合、最近接鉄原子同士をつなぐ方向で、ギャップが大きく、それと45°ずれた方向でギャップが小さいことになる。

二つのギャップと渦糸芯状態の関連を検討するため、渦糸芯を横切る線上で詳細な連続したスペクトルを取ることにする。まずは、最近接鉄原子同士をつなぐ方向に沿って、40nm(渦糸中心から30nm、反対側に10nm)、+25mV/125pA、256点、±15mV、各点でのデータ数201、変調振幅0.2mV。約63時間のラインスキャン。

2011年2月11日 (金)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その6)

ヘリウムを汲み足し、渦糸心の分光イメージングを開始。+25mV/125pA、18nm四方、64×64点、±6mV、67points、変調振幅0.3mV。約68時間のマッピング。

2011年2月10日 (木)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その5)

無事にマッピングを終え、中心付近に欠陥の無い渦糸を選びだした。この近傍での分光イメージングで渦糸状態の詳細を調べるのが目的だが、視野のドリフトがあるので、マッピングは明日から行う。

今日は、ポイントでのスペクトルをとって、様子を把握した。渦糸中心でのゼロバイアス近傍のピークは、分裂しており、かつ、占有状態と非占有状態で大きく非対称である。占有状態側のピークの方が大きい。量子極限にあると思えば、説明できるかもしれないが、そのようなパラメータ範囲にあるとは思えない。この振舞は昨年の予備実験でも観測していたが、再現性を確認できた。

渦糸中心に探針をおき、25mV/10pAで一晩ドリフトが収まるのを待つ。

2011年2月 9日 (水)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その4)

スペクトルの温度依存性の測定終了。10K以上になると、ニードルバルブの微妙な位置の違いで温度コントロールが不安定になることがあるので、装置のそばから離れられない。今回も何度か難儀したが、徹夜は一晩ですんだ。前回、途中で探針が変わってしまった予備的結果を再現している。今回は、探針は変化せず、エネルギー範囲も広くとったので、いろいろな解析ができるものと期待する。

もう一つの目的である渦糸心の測定のため、0.5Tの磁場を印加して磁場中冷却した。欠陥からなるべく離れた渦糸を探すために、400nm四方を、20mV/20pA、変調2mVでゼロバイアスの分光イメージングを開始。明日昼前に終了予定。

2011年2月 8日 (火)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その3)

スペクトルの温度依存性の測定。±25meV、501points、+25mV/125pA、変調振幅0.1mVで、1.5K、0.52K(最低温)、2.5K、5Kの順に互いに10nm程度離れた3個所で測定。原子像の凹凸が小さいので、各温度における測定位置の原子レベル位置合わせを微分像で行うことにした。

5Kを終了したところで、探針を130nm程度引いて、残りは明日にすることにする。

2011年2月 5日 (土)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その2)

無事、アプローチした。100nm四方で異物が無いこと、スペクトルがこれまでの結果を再現していることを確認した。この視野で見える欠陥には、dotが無く、trenchが少ないようである。また、これまで見たことの無い小さな欠陥があるようである。dotが無いことはこれまでにもあった。もともと結晶中にある欠陥ではなく、劈開後に吸着したものなのであろう。

本格的な実験は月曜から開始する予定である。スペクトルの温度変化をしっかり押さえることが当面の目標である。

2011年2月 4日 (金)

LiFeAs#SF4-16 STM/STS by 3He-STM(その1)

異物の上にアプローチしてしまったようで、再度、試料を交換した。これがチャンバー内にある最後の試料である。

待ち時間の間に、ソフトウエアのアップデートを行った。

2011年2月 3日 (木)

LiFeAs#SF4-15 STM/STS by 3He-STM(その1)

昨日のLiFeAs#SF4-14はフレーク上にアプローチしたようで、電流が安定しなかった。探針をFIMでクリーニングしたのち、LiFeAs#SF4-15を窒素温度で劈開。アプローチ開始。

2011年2月 2日 (水)

LiFeAs#SF4-14 STM/STS by 3He-STM(その1)

無事にヘリウムを汲んで、アプローチ開始。

デュワー底の温度計の校正がずれているようだが、とりあえず問題にはならないので、現時点では特に対処はしない。

2011年2月 1日 (火)

予冷

クライオスタットに窒素を汲んで予冷。IVC、OVCは引き続きTMPで排気。IVCの真空が1.2×-6 Torr程度で下がらなくなったのが気にかかるが、バルブを閉め、しばらくおいてから開けても、デガスと思われる程度の圧力上昇なので、とりあえず、このまま様子を見ることにする。

SNUのKim研からいただいた、Snフラックス法で作製されたLiFeAsの測定により、Snの効果を見ることが現在の目的だが、その前に、ギャップの温度変化と渦糸芯状態の再現性確認の為、もう一度物性研の北川さんからいただいた自己フラックス法で作製された試料をロードロックに3個導入。測定中にSNU試料にピン立ての予定。

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